リアルな鉛筆画デッサンで似顔絵を描く方法とは?上達するまでのロードマップを解説
「まるで写真のようなリアルな似顔絵を描けるようになれたら…」そう願ったことはありませんか?リアルな人物画を描けるようになれば、立派な絵の上級者です。とはいえ、デッサンは絵の中でも難しい技法。ですが、何度も練習を重ねれば必ず上達します。
そこでこの記事では、初心者でも鉛筆画デッサンでリアルな似顔絵を描ける手順を紹介し、上達へのロードマップを解説します。イラストが上達するかどうかは、才能だけがポイントではありません。ぜひこの記事を読んで、少しずつデッサン上級者への階段を一緒に登っていきましょう!
目次
初心者がリアルな似顔絵を描くために知っておきたいポイント
「人の顔をそのまま絵に模写する」という作業は、単純なようで多くのテクニックを必要とします。絵を描き始めて間もないビギナーの中には、写真を紙の隣に置いていきなりペンを入れている方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は初心者の時点では、それはまだ難易度の高い描き方なんです。
着実に上達していくためには、まずはいくつかのポイントを押さえておくのがとっても大切。ここでは、実際にリアルな似顔絵を描く前に知っておきたい事前知識を解説します。
まずはモノクロの鉛筆画からスタート
写真のようなリアルな人物似顔絵を描くための入門編としておすすめしたいのが、モノクロの鉛筆画。なぜなら、鉛筆画を練習すると写真にある色の濃淡を絵に落とし込む感覚が掴めるからです。似顔絵をリアルに仕上げるには、平面の紙の中に立体感を持たせる濃淡の表現ができるのが大きなポイントとなります。
また、モノクロで濃淡が表現できるようになれば、カラーの表現もしやすくなります。例えば水彩画や色鉛筆画を描く際に、違う色を組み合わせたり、薄い色と濃い色を重ねたりしてグラデーションをつけるテクニックは、濃淡の表現ができるからこそ。
鉛筆画には、イラストにおける基本が詰まっているので、他の描き方にも応用ができます。まずは鉛筆画からスタートして、光が当たる部分と影になる部分をモノクロで表現できるようになりましょう。
顔のパーツの配置が命
人の顔は、少しパーツの位置が違うだけで全く違う印象に見えてしまうほどデリケートなもの。似顔絵をリアルにするためには、顔のパーツ配置が非常に重要です。いくらパーツそれぞれがリアルに再現できていたとしても、目の位置が違ったり鼻の長さが違ったりすると、一気に別人の顔に仕上がってしまうこともしばしば。
「時間をかけて丁寧に模写したはずなのに、なんだか似ていない…」というビギナーのお悩みは、パーツの配置ができていないのが原因かもしれません。それぞれのパーツ配置を丁寧に行うのは、人の顔をリアルに描くための最も重要なポイントのひとつなのです。
写真に忠実に
リアルな似顔絵は、できるだけ写真に忠実に描くようにしましょう。というのも、写真から離れた印象の似顔絵は、デフォルメ(変形や誇張)テイストのイラストになってしまいます。
もちろん、アニメキャラクターのような可愛らしい似顔絵やコミカルな似顔絵といったデフォルメイラストも素敵ですが、リアルに模写した似顔絵とは大きく異なります。「リアル⇔デフォルメ」といった風に、二つのテイストは対極にあることを押さえておきましょう。
顔を立体的にとらえよう
平面である似顔絵をリアルに見せるには、顔の中の光と影を濃淡で表現して立体感を持たせるのがポイント。そのためには、モデルの顔を頭の中で立体的にとらえることが大切です。一枚の写真だけで顔をとらえると、どうしても平面的な絵になりがち。様々な角度から見た印象をとらえ、立体的な顔の構造をイメージしましょう。
とにかく練習!
鉛筆画でのデッサンは、似顔絵のテイストの中でも特に難易度が高い描き方です。そのため、まるで写真のような似顔絵が描けるようになるには、何度も練習を重ねる必要があります。ですが、「才能がないから練習しても私には無理かも…」と諦める必要は決してありません。リアルな似顔絵はデフォルメ調のイラストとは違い、描いた人の癖やオリジナリティが出にくいのが特徴。つまり、個人の才能に左右されにくい描き方なのです。
その難易度ゆえ、すぐに上達する描き方ではないので相応の努力が必要ではありますが、根気強く練習すれば誰でも上手く描けるようになります。少しずつ描き方を掴みながら、絵の上級者への階段を登ってくださいね。
リアルな似顔絵を写真から描く手順│初心者でも描きやすくなる裏技も紹介
基本となるポイントを押さえたところで、実際にリアルな鉛筆画デッサンを描く手順を解説していきます。それでは、次のアイテムを用意してください。
- 少し薄めの紙(中厚度のトレーシングペーパー、なければコピー用紙でもOK)
- 鉛筆
- 消しゴム
- 練り消しゴム
- モノクロの写真(実際の模写に使うもの)
- モデルをさまざまな角度から撮った写真を数枚
- ティッシュペーパー
ここでご紹介する手順は、絵を描き始めたばかりの初心者でも描ける方法です。この手順で練習して得られるテクニックは、濃淡の表現。ビギナーでも気軽に楽しめる描き方なので、ぜひ一緒に描いてみましょう!
写真を観察する
まず始めに、用意した写真を観察していきましょう。さまざまな角度からモデルをとらえた写真から、頭の中でモデルの顔を立体的にイメージできるまで観察してください。次に模写のベースとなる写真から、光がどこから当たっているか、顔の中でどこに光が当たっていてどこが影になっているのかを観察します。モデル単体でのイメージと写真の中にあるモデルのイメージ、両方を立体でとらえることを意識しましょう。
写真から輪郭とパーツの枠線を転写する
人の顔を描く上で最も重要なキーとなるパーツ配置と輪郭を描く作業です。ビギナーにとっては非常に難易度の高い作業なので、ここでは裏技を使います。似顔絵を描く紙の下に写真を敷いて、透けて見える枠線を転写しましょう。輪郭・髪の毛・耳・眉・目・瞳・鼻の穴・小鼻・唇の枠線を薄めに描いてください。
これは、「トレース」と呼ばれる方法です。枠線を転写した状態で一度絵を全体的に確認してみましょう。輪郭とパーツの枠線があるだけで、それとなくモデルの顔が連想できるはずです。
写真からそのまま転写することに抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、転写せずに輪郭とパーツを描くには段階を踏んだ練習が必要です。最初は転写した枠線をベースにして、濃淡のテクニックで似せる要領を掴んでいきましょう。
パーツを描いていく
転写した枠線をベースに、パーツを描いていきましょう。複雑な耳の線や目の瞳、鼻筋、眉の毛流れ、唇の縦じわ、髪の毛流れを細かく描いて、写真を忠実に再現します。ひとつひとつのパーツごとに丁寧に描いてみてください。
この時、転写した枠線をすべて濃く描き直す必要はありません。なぜなら、この後の手順で行う作業で、より光と影のコントラストを効かせるためです。薄く描いた枠線の中を埋める要領で、パーツを描いてください。
濃淡をつける
現段階で絵を見てみると、平面的な印象を受けるはずです。ここでは、平面的な絵に濃淡をつけて立体感を出していきます。白黒で色をつけていく感覚で行うと良いでしょう。後にぼかすので、細かい斜線を入れていけばOKです。
モノクロ写真をもとに、光が当たる部分は薄く影になる部分を濃くなるように描いてください。影の部分は、より濃い部分に線を重ねてグラデーションを作ると自然な立体感が出ます。
濃淡をぼかして完成
先ほど入れた濃淡を、ティッシュペーパーと消しゴムを使ってぼかしていきます。ティッシュペーパーで描いた線をこすると、そのままの濃さでぼかせます。そして消しゴムは、濃くなりすぎた部分を薄くする用途で使います。ただ、通常の消しゴムは力加減が難しく線を消しすぎてしまうことも。練り消しゴムを線に押し付けると少しずつ薄くしながらぼかせるので、ゲットしておくと便利です。
濃淡をすべてぼかし終えたら、鉛筆画デッサンの完成。初心者でも簡単に立体感のあるリアルな似顔絵が描けたのではないでしょうか。
リアルな似顔絵が上達するまでのロードマップ
ご紹介した手順は、初心者でも簡単に描けるように裏技もまじえた方法。これから練習を重ねて、写真からいきなり描けるようになりたいと思う方も多いはずです。そこでここでは、リアルなデッサン似顔絵が上達するまでのロードマップを解説します。少しずつレベルアップして、絵の上級者を目指してくださいね。
1. モノクロ写真を紙に転写して描く
モノクロ写真をもとに輪郭とパーツの枠線を転写する描き方は、鉛筆画デッサンの似顔絵を描き始めたばかりの初心者におすすめ。先ほどご紹介した、枠線をベースにしてパーツを色を入れていくやり方です。この段階で身につくのは、モノクロ写真から忠実に濃淡を表現して立体感を出すスキルです。モノクロ写真の濃淡を忠実に再現することを意識しましょう。
2. カラー写真を紙に転写して描く
モノクロ写真からの模写に慣れたら、次はカラー写真をもとに描いてみましょう。輪郭とパーツの枠線を転写する作業はモノクロ写真の時と同様に行います。この段階で得られるのは、色がついた写真から白黒の濃淡を表現するスキル。難しければ、モノクロ写真と比べながら始めると良いでしょう。
3. 写真を見て紙にパーツ配置の目印をつける
この段階では、転写するのではなく、自分で輪郭とパーツの枠線を描くスキルを身につけます。写真と紙に「グリッド線」という方眼紙のような線を薄くつけて、写真にある枠線の比率と同じになるように輪郭とパーツを配置していく方法です。配置した位置をもとに枠線を描いた段階で、モデルの顔が連想できればOK。人物画デッサンを描く上でも難易度の高い作業ですが、練習を重ねていくと顔のバランスがとらえられるようになります。
4. 写真からそのまま描き始める
グリッド線をもとにささっと輪郭を描いてパーツを配置できるようになれば、いよいよ写真からそのまま似顔絵を描いてみましょう。写真の顔の比率を頭でイメージしながら、輪郭とパーツを入れてみてください。慣れてくれば、対面でのデッサンも夢ではありません。ここまで来れば、あなたはデッサンの上級者になっているでしょう。段階を踏んで練習を重ねれば、必ず上達するはずです。
デッサンが描けなくてもOK!リアルな作風が魅力の似顔絵師に依頼しよう
鉛筆画のデッサンは、イラストの中でも特に難しく練習が必要な技法。「大切な人に似顔絵をプレゼントしたいけど、上達するまでには間に合わないかも…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな時は、プロの似顔絵師に依頼する方法があります。
そこでここでは、似顔絵グラフィックスに所属する、リアルな作風が魅力の似顔絵師を3人ご紹介します。プロが実際に描いた作品を、ぜひお楽しみください。
受賞歴を持つ実力派「青木薫」
デフォルメの少ないリアルなタッチで、肖像画を描く似顔絵師。公募展で新人賞を受賞した経歴を持つ実力は折り紙つきです。
まるで写真のような色鉛筆画「ハヤブサ」
色鉛筆画で写真から忠実にデッサンしつつ、優しい表情に仕上げる似顔絵師。目元や口角を緩ませて、表情を穏やかに表現するテクニックの持ち主です。
リアルな人物画を鮮やかに「ao」
モデルの個性を色で表現するのが大きな特徴の似顔絵師。写真のカラーにとらわれない鮮やかな色使いがプロならではのテクニックです。
リアルな似顔絵が描ければ絵の上級者に
リアルな似顔絵を描くのは簡単ではありませんが、段階を踏みながら何度も練習すれば必ず上達できます。鉛筆画デッサンが描けるようになれば、水彩画やペン画など、応用できるシーンは無限大。どんどんレベルアップして、絵の上級者になってくださいね。
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